現在、36人に1人の割合で不登校の児童・生徒が学校に通わない「不登校」の状態にあるという。
しかし、不登校の一歩手前であると言われている「保健室登校」はどうしても軽視されがちである。
どうして学校に来れるのに教室に来れないのか?
ただ授業をサボっているだけなのではないのか?と保健室登校者に対する世間の風当たりは強く、教師の間でも理解が進んでいないのが現状だ。
しかし一方で保健室登校の生徒を隠れ蓑にして、保健室で授業をサボる生徒がいるのも事実である。
高校三年生の間、ほとんどの時間を保健室で過ごした筆者が保健室登校の是非について自身の記憶を含めて、今一度考えてみたいと思う。
日付は筆者が保健室登校を始めた日付である。
この前の時期から教室にいると突然涙が出てきたり、教室へ向かう途中で過呼吸を起こしたり、いわば”教室アレルギー”的な症状が起きるようになった。
原因は分からない。そもそもあまり仲のいいクラスではなく、常にぎすぎすした雰囲気があった。更に受験という精神的なプレッシャーも差し迫っており、今まで堪えて我慢してきたものが一気に弾けてしまったのだろう。
このような症状を見兼ね、このままでは不登校にもなりかねないと考えた保健室の先生が「保健室登校にしたら?」と言い、私の保健室登校生活は始まった。
休み時間になると仲のよい友達が保健室に遊びにきてくれたりして、保健室にいる間だけは私は安心して学校生活を送れていた。
しかし、見た目だけで判断すれば友達と仲良く会話をしている姿は他の先生方からすれば「あの子は教室にも行かずにサボっている」と思っただろう。
しかし、相変わらず教室に向かおうとすると腹痛が始まり、吐き気が起きる。
でもそれが伝わらない悲しさ、切なさに何度も苦しめられた。
結局私の保健室登校生活は卒業まで続く。
教室には行ってないけれど学校には登校しているので出席日数は満たすことができ、無事に卒業することができた。
取材日 | 2009年06月08日 |
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