酷使された運転手~高速バスの安全管理は今~

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2013.06.21
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いちへい

2012年4月29日、群馬県の関越自動車道藤岡JC付近で高速ツアーバスが防音壁に衝突する事故が起こった。この事故で乗客の7人が死亡し、乗員乗客の39人が重軽症を負った。


事故の重大さからこの事故はマスコミにも大々的に取り上げられたが、その過程で高速バス業界の構造的な「闇」が明らかになってきた。高速ツアーバス会社は、コストカットのために運転手を酷使し、安全性に対して十分に配慮を払っていなかったのである。ゆえに、このような事故は遅かれ早かれ起こるものだった。

この記事では、この事故が起こってしまった原因を高速ツアーバス業界全体の問題としてとらえ、その問題はどのようなものであったか、事故の結果どのように高速ツアーバス業界は変わったのかについて紹介する。


バスの種類

バスには「路線バス」と「貸し切りバス」の2通りが存在する。
路線バスは基本的に地域独占で認可制である。
貸し切りバスは、路線バスほど規制は厳格に定められておらず、安全性の基準さえ満たしていれば参入可能である。
よって路線バスに比べて貸し切りバスは参入企業が多く、全体的な運送の質を担保しにくいという特徴がある。今回の事故を起こしたのも「貸し切りバス」の中の1カテゴリーである「高速ツアーバス」だった。

また「高速バス」と「高速ツアーバス」も実は似て非なるものである。共に「貸し切りバス」の中の1カテゴリーに属するが、「高速バス」が道路運送法に基づくものであるのに対し、「高速ツアーバス」は旅行業法に基づき規制がさらにゆるくなったバスの形態である(後に詳述する)。今回の事故も、「高速ツアーバス」の規制が緩すぎたために安全性の担保がおろそかになったことによって生じたと言える。


旧道路運送法と改正道路運送法

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