ーカカオ豆に興味を持つなんて、とてもマニアックですね!
野呂 大学1年生の夏休み、学生団体を介して6週間ガーナに旅行しました。そして、ガーナの地元の小学校・中学校で英語や数学を教える教師のボランティアをしたのです。私が訪れた村にはカカオ豆の農園がたくさんあり、農家の子がたくさんいました。それが、カカオ豆、チョコレートにのめり込むきかっけでした。
ーそれが今の「本当のガーナチョコレートを作るプロジェクト」にもつながっているのですね。
野呂 そうです。実際にガーナを訪れて気づいたことがありました。渡航前は、ガーナといえばチョコレートの国というイメージでした。しかし、実際には、ガーナはカカオ豆の国、つまり、チョコレートの原料の国だと知りました。ガーナでチョコレートが作られるだろうとすっかり勘違いしていたのですが、実際には違ったわけです。そのとき「日本にはガーナチョコレートという商品まであるけれど、実際に原料のカカオ豆からどうやってそのチョコレートを作るのだろう?」と疑問に思いました。
もうひとつ驚いたのは、ガーナはカカオ豆の一大生産地なのに、現地の子供たちはチョコレートを食べたことがなかったことです。そこで、現地の農家の子どもたちを対象にカカオ豆からチョコレートを作るワークショップを開催することにしたのです。ワークショップは、プロジェクトの初代代表だった宮坂和憲さんと一緒に実施しました。参加者からの評価もよく、大成功に終わりました。子どもたちから「次は、いつチョコレート作るの?」と言われて、本当に嬉しかったことを覚えています。
ガーナでのワークショップの様子
帰国後、ガーナで知ったチョコレート本来の味をたくさんの人に広めたいと思い、カカオ豆からチョコレートを作るワークショップを計画しました。日本で売られているチョコレートはなめらかでミルク感が強く、甘いのが一般的ですよね。でも、実はチョコレートはワインやコーヒーと一緒で、原料の産地によって味が大きく変わります。カカオの風味を活かしたチョコレートは、独特の風味がある。例えば、チョコレートなのにベリー系の酸味やナッツのようなフレーバーがします。そこで、ガーナのカカオ豆で作られたならではのチョコレートの味を知ってもらいたい。その想いから「本当のガーナチョコレートを作るプロジェクト」の活動に参画を決めたのです。
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