第3回 「院内学級には、病気の子に対して想像力を持てる教師にきてほしい」

病気やけがの子どもにもっと学びを―― 知られざる教育格差問題に迫る  ※全4回構成
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院内学級の専門家である赫多久美子先生にインタビューするシリーズ。前回は院内学級の生徒の学校生活の実際の様子について紹介した。第3回はどのようにすれば院内学級の先生になれるのかを中心に話をうかがった。院内学級の先生に簡単になれない、その理由とは?

第1回「病気やけがの子どもにもっと学びを――知られざる教育格差問題に迫る」 ※全4回構成(http://www.trapro.jp/articles/523)

第2回 「院内学級はどんな授業をするのか?」(http://www.trapro.jp/articles/524)

最終回「院内学級が希望を与える場所であり続けるには」

http://trapro.jp/articles/539)
この記事の読了時間:約6分
2015.12.23

——院内学級の先生にはどのようになるのでしょうか?

 

赫多:まずは、小・中・高の教員免許を取得し、地方公共団体の教員採用試験に合格しなければなりません。その上で、採用された都道府県や市町村立のいわゆる院内学級がある特別支援学校や小・中学校に採用される、あるいは転任する必要があります。教員がどの学校に赴任するかは各教育委員会が決めます。さらに、その学校の校内人事で院内学級の担任になるという流れです。校内人事は、各学校の管理職が決めることになります。通常の学級の数に比べて、院内学級の数は非常に少なく担任の数も限られているので、狭き門であることは確かです。

 

——特別支援学校の免許も必要なのでは?

 

赫多:いわゆる院内学級は、特別支援学校の本校や分校・分教室等と小・中学校の病弱特別支援学級の場合があることはお話ししましたよね。特別支援学校の教員は、特別支援学校教員免許を保有していることが原則ですが、実際は採用時点で全ての教員が保有しているわけではありません。特別支援学級の担当者も特別支援の免許を取得することが望ましいのですが、そうでない場合もあります。

 

——えっ…?通常の免許だけでも、院内学級の先生になれるのですか?

 

赫多:そういう場合もあり得るということです。現職の先生が特別支援学校教員免許状を取得するために、各教育委員会等が免許状認定講習を用意しています。いろいろな条件はあるのですが、教員をしながら認定講習を受講し、数年がかりで単位を取りためて免許を取る方法もあります。

 

——先生になってから、特別支援学校の免許を取得するのですね。

 

赫多:そうですね。新採用の先生が免許を持ってなくても、特別支援学校に採用されることもあります。

 

——どういうことですか!?特別支援学校の免許の意味がないじゃないですか!

 

赫多:先ほども申し上げたように、原則、特別支援学校で教える先生は特別支援学校の免許を持っていなければなりません。でも、実際の採用では、特別支援学校を希望する人だけでは採用枠が埋まらない場合があるようです。小・中・高の先生になるつもりで教員採用試験を受けた新規採用の先生が、特別支援学校に配置される場合もあります。

 

——採用人数の影響で仕方なくやっているのですね。そのようなことをしたら特別支援学校を希望してない先生は辞めたりするのではないでしょうか?

 

赫多:ある先生は、自分は高校の先生になりたいと教員採用試験を受けて合格しましたが、配属が特別支援学校になった…自分の希望とは違っていたのですが、特別支援学校を経験して「こういう子どもたちもいるんだ。自分はこの分野で教師をやっていきたい」と思ったそうです。その先生は免許も取得し、特別支援学校で働いています。初任で配属された特別支援学校で全力を尽くして、次の異動で希望していた小学校に転任するという先生もいます。目の前にいる子どもたちにちゃんと全力投球できる先生は、どこの学校に行っても、いい先生になれるはずです。

 

先生を確保するために使われる院内学級

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Ridi

リディラバ メディア事業部

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