【第2弾】「今どきの人は“輿論”と“世論”の違いを分かってない! 」

リディラバ安部氏、YouthCreate原田氏が現代人に物申す〜YouthCreate原田氏×リディラバ安部氏対談企画(2015.08.24開催)【第2弾】※全6回〜
  • 政治
安全保障政策を巡って、全国で行われたデモ活動。その中で特に脚光を浴びたのがSEALDsの若者たち。

「デモで社会は変わるのか?」


スピーカーは、若者の主体的政治参画を促進させるイベントを開催するNPO法人YouthCreate代表原田謙介氏と、社会課題の現場を訪れるスタディツアーを企画運営する一般社団法人リディラバ代表安部敏樹氏。

社会を変革していく仕組みである本来の『民主主義の在り方』を、次世代の日本を担う若者2人が、SEALDsに、そして世間に問う。

第1弾 SEALDsに問う、「デモで社会はかわるのか?」
http://www.trapro.jp/articles/540)

第3弾「議員が街を作る時代は終わった」 これからの政治家に求められる力とは?
(http://www.trapro.jp/articles/542)

第4弾「教育現場にアファーマティブ・アクションを!」
http://www.trapro.jp/articles/543)

第5弾「当事者性が反映される意思決定の仕組みとは?」
http://www.trapro.jp/articles/544)

第6弾「(政治家が)当り障りのないことばかりいうから誰を選んでいいかわからない」
(http://www.trapro.jp/articles/545)

この記事の読了時間:約8分
2016.01.30
Photo:リディラバ所蔵

社会を変えたいなら戦略を立てろ!

安部敏樹氏(以下:安部):今回の安保法案やSEALDsの動向を見てみて思うのは「変える順番をみんな決めていないよね」ということ。政権与党は法案を通すことを念頭に置きながら、現実的に戦略を立てて、動いてますよね。一方で、社会問題を提起する人たちというのは、まずはここから変えた後に、次にここを変えて最終的にゴールに行くっていう長いロードマップと戦略を持っている人が少ないと思っていて。これは、SEALDsを見ていても同じようなところがあるなと思ったんですよね。

 

原田謙介氏(以下:原田):どこから変えていけばいいと思いました?

 

安部:まさに「輿論(ヨロン)と世論(セロン)」という本があるんですけれども、僕が一番問題意識として持っているのは、「世論」と「輿論」の混同。会場の皆さん、この違いわかりますか?

 ざっくり言うと、「社会全体の意思決定に対して熟議して、意思決定を行っていきますよ」ということを、元々「輿論」と言いました。一方で、「世界」の「世」と書いて「論」と書く、「世論(セロン)」の方は、それはある種の付和雷同性が強くって、マスメディアが作ったマスコミュニケーションの賛同の先にある、一見、世の中の意見のように見える意見のことです。で、戦前はこの「輿論」と「世論」がしっかりとわかれていたって議論があって、ただ、第二次大戦中を含めて、日本は「世論」と「輿論」が合体しちゃったんだよね。日本でボトルネックになっているのは、国民が正しい輿論を作らない国民になっているということだと僕は思ってて。

 つまり、ちゃんと議論をして社会的な論点について、お互い健全なアイデアを出しながらいいものを作っていく意思決定をしましょうとうものではなくて、マスコミュニケーションをベースにした「みんなが言ってるから、俺もそれでいい」みたいな形での意思決定になっている。

 

原田:それも多分あるんだろうけど、今回のSEALDsにも通じると思うんですけど、社会運動をする人たちは単純な世論調査だけを見て自分と同じくらい賛成派がいるんだと思っちゃうから、世の中全体の総意を取り違えるというような気がして。

 

安部:まさに世論はマスコミュニケーションが生んだものと考えるなら、そういう意味では問題性は非常に高いんだけれども、さっきの優先順位の話でいえば、時間がかかるのかもしれないけれど、正しい輿論を作れる民衆を作る、民意を高めるための議論の場を作ることが中長期的には一番の近道で、最終的な到達点として設定しなければいけないことなのではないかな?

 

結論ありきでなく議論できる土壌を

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