安部:みなさん、アファーマティブアクション(※)って知ってますか? 例えば、「女性」とか、あるいは、「若者」だとか、一定の属性の人が少ないと多様性が損なわれて困るから、そういう人たちを強制的に組み込むような施策をうつことを指します。
原田:わかりやすくいうと、その組織で何割を女性にしなければならないのかということを定めるクォーター制度とかですかね。
安部:企業の役員構成とか、アファーマティブアクションに近い形になっているんだけれども、これも民主主義の欠陥についての話で必ず出てくるトピックのひとつ。
原田:世界の色々な国をみてみると、議員の女性割合とか若者割合をクォーター制で決めている国って結構あるんだよね。
安部:歴史的な背景があり積極的な格差を政策で作るということが国で認められるというか文化として認められている?
原田:そこは怪しくて。アファーマティブアクションに取り組んでるのはアフリカの国が多くて。世界国会議員連盟みたいな組織があって、アファーマティブアクションの一貫で議員になった若い議員と日本の議員との議論に混じらせてもらったんですよ。
安部:羨ましい限りだね。
原田:欧米、日本を含めて少子高齢化が進んだ先進国で、権力を握っている人の高齢化への反面教師みたいなね。議員も若いけど、クォーター制度導入すれば、有権者も若年層が多いから選挙でも賛成してくれるし。でも、それが数十年後に本当に先進国みたいな人口状態になったとしても、その制度は残しておくっていうのはやらなきゃいけないっていうか。民主主義の理解っていうか、先進国で失敗していることを繰り返さないためにね。
安部:なるほどね。反例として先進国をみていて、根拠があるか、それが正しいかはわからないけど、とりあえず先進国とは違うことをやってみましょうっていう。
原田:そうそう、結構面白いよね。だからといって、クォーター制が正しいか、どうかといったらわからない。
安部:むずいね。俺はあまりアファーマティブアクションについて積極的な人ではないので。
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