18%を超えて世界トップをひた走るGDP成長率・煙で30m先が見えず、10人に1人を殺す深刻な大気汚染・山の裏側まで無秩序に住居が拡がり続ける首都―。
これは他でもない東アジアの国、モンゴルで現在起きている地殻変動です。
ここで中学・高校の社会の教科書を繰ってみましょう。
教科書によると、かつて地方で遊牧を営んでいた人々が「家族ごと首都ウランバートルへ移住・定住」しているとの記述があります。*1
実際、1998年当時65万人に過ぎなかったウランバートルの人口は現在130万人に達し、その数はモンゴルの全人口280万人の約半数にのぼります。
また、近年のウランバートルの人口増加率は2000年以来年平均およそ4%と、日本の高度経済成長期の三大都市圏のそれ(2%台)を上回る大移動が起きています。*2
それでもなお、多くの日本人にとってモンゴルのイメージは「朝青龍・白鵬・日馬富士」「遊牧民とゲル」「チンギスハーン」以上のものではないでしょう。
このような急激な社会の変化は、同市での住民生活や国全体の産業構造、更には日本との関係にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。
ひょんなことから現地の大学に一年間の留学をしている筆者が、現地ルポを交えつつ「近くて遠い国」モンゴルのいまを探ります!
特に個人的な関心の強い最後の論点について、皆様のご意見をお待ちしております。
*1 帝国書院「モンゴルの定住化」 http://bit.ly/13CZyZj
*2 JICAウランバートル市上下水セクター開発計画策定調査(2012年) http://bit.ly/W8JpFS
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