埼玉にある外国、ワラビスタンは地方創生のモデルになるのか?

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2016.04.15
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埼玉県蕨市には「ワラビスタン」という呼称がある。1000人を超える在日クルド人が暮らすと言われる蕨市に対して、「クルディスタン(クルド人の地/国)」と「蕨」をかけてつけられたものだ。在日クルド人とは迫害を恐れて来日した主にトルコ国籍のクルド人であり、蕨市の総人口が約73,000人であることを考えると、蕨市では約70人に一人が在日クルド人ということになる。蕨や隣の川口にはもともと外国人の労働力を頼りにする町工場などが多かったため、この地域には外国人労働者が集まったと言われている。

 

彼らの多くは難民認定を申請しているが、認められるケースはほとんどなく、正規の在留資格は持たないが人道上の理由などで身柄の拘束を解かれた「仮放免」という状態である。仮放免の状態では、健康保険の加入や就労ができない。

 

一方国内では昨今地方から東京への人口流出とそれに伴う地方の労働人口の減少が問題視されており、各地域が他地域から人を呼び込もうと躍起になっているが、国全体として人口減少が進む日本社会においてそれは小さいパイを奪い合っているにすぎない。

 

日本で暮らしたい難民と労働人口不足に悩む地方自治体。一見利害が合致しているように思えるが、なぜ新規の労働人口供給源としての難民受け入れは進まないのだろうか。

 

難民の受け入れは制度的に難しいだけでなく、国民の反対の声も多い。理由としては言語や文化の違いによるコミュニケーションの難しさの他に、治安の問題が挙げられる。


蕨市では在日クルド人の増加により治安が悪化したという声もある。しかし彼らの境遇に目を向けてみると、在日クルド人や難民は、上述のように健康保険加入といった社会保障や正規雇用という形での就労機会が十分に与えられていないのである。「外国人労働者の受け入れは受け入れ地域の治安悪化と表裏一体である」という論調がしばしば見られるものの、なぜ彼らが犯罪の道に進まざるをえないのか、その原因究明と課題解決まで踏み込まないままに、受け入れの是非を議論するのは少々短絡的だ。

 

労働力に困る地方と雇用を求める労働者を繋ぐ、これは最も単純な地方創生モデルだ。地方創生事業に莫大なマネーが流入している移住バブルの今、果たして新たなパイを創る外国人労働力の受け入れの構造的な課題となっている彼らへの社会保障支援にも、投資対効果の検討がなされることを切に願う。

 

 

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Ridi

リディラバ メディア事業部

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