行政支出を減らせるか?民間と連携して新しいビジネスモデル「SIB」を試験導入

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2016.05.02
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Photo:http://www.photo-ac.com/main/detail/348696?title=%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3

 公共事業などの景気対策や、高齢化に伴う社会保障関係費用の増大により財政悪化が深刻化する日本。この危機的状況から脱すべく、新たな取り組みが行われている。

 「ソーシャル・インパクト・ボンド」(以下 SIB)という言葉を聞いたことがあるだろうか。海外では既に導入されているこの仕組みは、財政難を解消する切り札になるのではないかと注目を集めている。

 SIBは、「社会的に成果の認められるものに対する投資」をするもので官民連携によって行われている。今まで行政が一手に担っていた公共サービスを民間企業に委託し、その民間企業は投資家から事業実施の資金を集めることでサービスを運営する。そのサービスが成功した場合、行政のコスト削減にどのくらい貢献したかを第三者による評価機関が調べ、そのコストに応じて行政から報酬が支払われる仕組みだ。
 この取り組みは既に諸外国では本格導入されており、イギリスでは5年も前から実施されている。不登校になってしまった若者のための就労支援の授業を行っている民間団体がある。現在合わせて約1000人もの若者がこの団体の行う授業を受けている。この団体が設立された背景にはイギリスで、ニートとなる若者が多く社会的に問題視されている現状がある。彼らの受けている生活保護の費用は、今後10年で5兆円以上もかかるとの推算が出されている。こういった、社会的に解決すべきだと思われる事業を中心にSIBは導入される。この団体では、生徒たちの態度の改善や取得した資格などから削減されたコストが算定され、国からの報酬が民間の投資家へと支払われることになっている。
 投資家はビジネスとして事業を見ているため、助成金をもらって行うサービスよりも、事業の質が高くなるだけでなく、成長スピードも早くなることがメリットとしてあげられる。まだ完璧なビジネスとして成立しているわけではなく、SIBが導入されて5年たった今も、現実的には報酬として得られる額は少ないため、更なる改善が必要となってくる。

 日本では、日本財団の出資により試験的に3団体9自治体で行われている。今後更に実施団体数を増やしゆくゆくは全土で本格導入が見込まれるだろう。

 

 「ソーシャル・ビジネスは儲からない」ということをよく耳にするが、社会課題解決に取り組む活動がボランタリーによるものではなく、ビジネスとして回っていくことで、今後国家支出の削減と社会課題の解決の両方が行われていくことを期待したい。

 

 


2016.05.03 お詫びと訂正

 

2016年5月2日配信時に以下の文章を記載しておりましたが、参照していたソースに誤りがあったことに気づかず、間違った記載をしておりました。申し訳ございません。以後このようなことがないよう細心の注意を払って記事を作成していきます。この度は本当に申し訳ございませんでした。今後共TRAPROをよろしくお願いいたします。

修正前

「日本で今回、試験的に導入されるのは、養子縁組を斡旋するNPO法人「ベアホープ」だ。来年3月までに4組の養子縁組の成立を目標に、日本財団が資金提供をする。これがうまく行けば、今後更に実施団体数を増やしゆくゆくは全土で本格導入が見込まれるだろう。」

 

修正後

「日本では、日本財団の出資により試験的に3団体9自治体で行われている。今後更に実施団体数を増やしゆくゆくは全土で本格導入が見込まれるだろう。」

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