普及率ワーストの汚名返上なるか!?神奈川県下で進む給食導入

全国から大幅に遅れをとっていた神奈川県の各自治体で給食実施に向けた動きが活発化している。主要都市である川崎、横浜、横須賀を中心に最新状況をレポートする。
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2016.05.16
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Photo:<span style="font-size:10px;"><a href="http://www.igosso.net/flk/4024942187.html" target="_blank"><img src="https://farm3.staticflickr.com/2498/4024942187_facb3f31f5_m.jpg" alt="" /></a><br />保育園給食(2009年10月19日) / Osamu Iwasaki</span>

◇24.4%-給食普及率全国最下位の神奈川

 

 全国的にはすでに当たり前となっている中学校の給食だが、神奈川県はその例外で多くの学校で未実施の状況が続いている。文科省が実施した「平成26年度の学校給食実施状況等調査」によれば、県下の公立中学校の完全給食実施率は24.4%で都道府県別でビリ。全国平均の87.5%と比べれば、他県との開きは一目瞭然だ。

 普及が低水準にとどまっている背景には、中学給食が広まっていった昭和40年代、神奈川県は急激な人口増加で学校建設ラッシュと重なってしまい、給食にかける予算がなかったことがあるとされている。それ以降も、議題には上がるものの、財政上の問題などから導入を先送りする自治体が少なくなかった。

 だが、近年、共働き世帯の増加など家庭環境の変化や、食育への意識の高まりから、給食導入の機運が再び高まりつつある。

 

◇川崎市は17年末までに完全給食を全市立中で実施へ

 

 2年前から完全給食実施に向けた事業を進めてきた川崎市では、市内3か所に給食センターを新設。すでに一部の学校では給食がはじまっている。対象の学校にアンケートを実施したところ、保護者の97%、70%以上の生徒が、給食について「よい」「どちらかといえばよい」との調査結果が出ている。同市では、17年末までに市内全52校で実施される見込みという。

 一方、県内最大の生徒数がいる横浜市では、来年度から新たにスクールランチ事業がスタートする。これまでは各校が独自で業者のパン・弁当販売するという対応をとってきたが、冷たくなっていたり、栄養バランスの偏りに配慮するため、温かいご飯や汁物やおかずを組み合わせられる「ハマ弁(横浜型配達弁当)」に取り組む。また、家庭の事情や困窮など様々な理由で昼食がとれないといった生徒には「ハマ弁」を無償で提供する予定という。

 横浜市に隣接している横須賀市では、給食に関する議論は10年以上停滞していたというが、ようやく昨年夏「中学校の昼食に関するアンケート」が実現した。調査結果からは完全給食を希望する保護者が7割もあることが判明。そこで市議会の有志らは、完全給食の実施を明記した「給食条例」の制定の提案を進めており、パブリックコメントの募集も行われている(5月16日現在)。ただ、計画から実際の給食事業運用までには数年を要することもあり、市では事業の方針決定を迅速に進めていきたいとしている。

 給食議論の高まりは県内の他自治体に影響を与えることが予想され、給食実施率の向上にも寄与するかもしれない。

 

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