うなぎ味のナマズが作る新しい「食」の選択肢

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2016.05.20
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Photo:http://www.photo-ac.com/main/detail/366971?title=%E3%81%86%E3%81%AA%E9%87%8D

格安航空会社ピーチ・アビエーション(以下ピーチ)が6月1日から始まる機内食の夏メニューに一風変わった料理を出す。「うなぎ」…ではなくうなぎ「味」の「ナマズ」である。このナマズを開発したのは、鮪の完全養殖でお馴染みの近畿大学。6年かけて開発に成功したそうだ。

 

 このナマズの開発の背景には、うなぎが世界的に見て絶滅への道筋をたどっていることにある。国産うなぎである「ニホンウナギ」は現在、絶滅危惧種に指定されており、実は私達が日頃食べているうなぎの95%は輸入品なのだ。加えて、生態系の崩壊やウナギの乱獲によって起こってしまったこの危機は新たな危機を生み出した。養殖によってより確実にうなぎを仕留めようと考えた養殖業者によってうなぎの稚魚である「シラスウナギ」の乱獲が行われている。そして、捕獲・輸出に関しての規制が厳しくなったことで、密漁や密輸が増えてしまい、結果的にうなぎの個体数は現象の一途をたどっているそうだ。

 

 「うなぎが食べられなくなるのは困る」そんな未来の国民の声を代弁するかのようにナマズの養殖を始めた近畿大学は、うなぎのような脂ののった身を低価格で作るために餌を工夫したり、ナマズ独特の臭みを消す取り組みを行った。その結果完成したナマズであったが、なかなか実用化に向けて進まずにいた。

 

そんなナマズに目をつけたのがピーチであった。LCCの顧客はJAL・ANAなどのクオリティを前面に押し出す大手一般旅客機から圧倒的コストパフォーマンスを押し出すLCCへの流動してきた人である。ナマズを飛行機に例えるならば、うなぎがJALでナマズがLCCのようなもので日本含めた世界の地域色として食べられてきたナマズ食の新たな顧客としても期待ができる。

 

 このうなぎ味のナマズのように、将来食べられなくなる恐れのある食材に対する心配を解消すべく、新たな「食」のの選択肢として提案される食材を「オルタナティブフード」と呼ぶ。このナマズは運良く世間に広く知られる機会を得たものの、コストや知名度の低さから多くのオルタナティブフードが世間に普及していかないのが現状だ。

 

 そんなオルタナティブフードを世間に広めようと取り組んでいる団体に「オルタナティブフードパーティー(以下AFP)」がある。AFPは毎月第二火曜日にオルタナティブフードを食べる会を主催しており、実際にたべてもらうことを通じてオルタナティブフードの普及に取り組んでいる。


 オルタナティブフードのコンセプトは「持続可能性のある食文化」である。うなぎの個体数が減少しているからうなぎを食べずにナマズを食べよう、ということを謳っているのではなく、うなぎに加えてナマズという選択肢も加えて、うなぎを食べるという習慣や古来から伝わるうなぎの食べ方を守っていこうという取り組みだ。既存ある食品に加えてオルタナティブフードという新たな選択肢を持つことで食文化としての継承がなされることを期待したい。

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