アートは難民を救えるか?ーAi Weiwei の試み

ソーシャリー・エンゲージド・アートの可能性
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この記事の読了時間:約2分
2016.05.25
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 昨日(五月二十四日)の早朝、ギリシャは隣国マケドニアとの国境沿いにある「イドメニ難民キャンプ」の撤去作業をはじめた。難民たち約8500人が収容されていたが、他の施設に移されるらしい。ヨーロッパを目指す難民の問題は、現在とても重大だ。受け入れ先の欧州社会では難民に対する拒否感情が起こり、社会の緊張が高まっている。

 

 アイ・ウェイウェイは、北京オリンピックスタジアムの建設にも携わった中国の現代アーティストである。彼の作品は政治色が強いため、中国政府からの強い圧力を受けている。

 

 中国政府は彼のパスポートを剥奪していたが、2015年に再取得許可を出した。その許可を受け、彼はベルリンに移住。その頃から、難民問題に関わる作品を制作し始めた。

 

 彼の作品・活動を紹介しよう。彼は国境近くや難民キャンプで、難民に食料などの物資提供や、避難申請所に行くためのバスの手配をしつつ、彼らの写真・映像を撮影している。そして、Instagram(@aiww)やTwitter(@aiww_en)でそれらを発信している。また、トルコの海岸で溺死体で発見された幼児の写真を、自らが被写体となって再現する作品や、海岸に捨てられた、難民のつけていたライフジャケットで、ベルリンのコンサートホールの柱を覆う作品など、インパクトのある作品も制作している。さらに、昨日撤去作業が始まった「イメドニ難民キャンプ」では、難民女性によるピアノ演奏会を開くといった活動を行った。

 

 彼の作品は、「ソーシャリー・エンゲージド・アート」の一つとされる。これは、社会問題を主題としているなど、社会性が強い作品をさす言葉である。彼の作品については、一般にあるよりもさらに社会性・政治性が強く、社会に実際に関わっていこうとするため、「ソーシャリー・ポリティカリー・エンゲージド・アート」、「アート・プラクティス」と呼ばれることもある。

 

 難民問題という社会問題において、「アート」という切り口から問題を見るという視点は新鮮だ。その視点からの情報ーたとえば、アイ・ウェイウェイの作品ーは、ニュースなどから得られるものとは違った、もっと私たちの直感に訴えかける、密度の濃いものである。その情報は我々の社会の見方を変える力を持っている。「アート作品」それ自体は社会を変えないかもしれないが、アート作品に触れる人間の社会の見方を変えることにより、二次的に社会を変えうるだろう。我々日本人は、難民問題をどこか遠い国のことととらえていないだろうか。アイ・ウェイウェイの作品の作品に触れることにより、我々のその問題に対する捉え方は変化する。彼のアートは、その意味で確かに難民を救うだろう。

 

 彼の作品に、日本で簡単に触れる機会として、彼のInstagramTwitterFacebookがある。社会を変えうる力をもつアートに、一度触れてみてほしい。

 

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Ridi

リディラバ メディア事業部

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