悔いのない人生を…アスリートの「デュアルキャリア」とは

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2016.05.30
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記憶に新しい、球界の“番長”と親しまれてきた清原和博元選手の覚せい剤取締法違反事件。初公判では「遅くともプロ野球選手を引退した08年ごろから覚せい剤を使うようになった」と供述したという。

 

どんなに活躍していた選手でも引退の時期はやってくる。社会一般では働き盛りの20~30代には競技生活を終えて、第二の人生を歩むことになる。それまでの競技人生とは全く勝手の違う社会生活。ましてや、大学進学をせず、高卒でプロの世界に入った選手はなおさらだろう。清原元選手のように、薬物に手を染めるまでいかなくとも、選手たちの多くは、引退後、新たな目標を見つけられずに苦しみ、喪失感にさいなまれるという。華やかな生活をしていた選手は尚更、ギャップに悩むことになる。しかし、それは選手にとってあまりにも残酷な話しだろう。それは競技人生よりも残された人生の方が長いのだから。

 

引退後のキャリアは、現役世代にも共通した悩みだ。NPB(日本野球機構)が2016年1月に公表した、現役若手プロ選手のセカンドキャリアに関するアンケート結果では、「引退後に不安を感じている選手」が72.7%と大多数を占めた。内訳は収入に関する不安が44.5%、進路についてが43.8%、以後、やりがいの喪失が8.7%、世間体が3%となっている。

人として、競技者として生きる…「デュアルキャリア」とは?

前述のような問題の解決の方向として近年、打ち出されているのが、「デュアルキャリア」というコンセプトだ。競技生活とその人の人生を分けのではなく、「人としての生涯」と「アスリートとしての人生」を並行して取り組んでいくという考え方だ。アスリート一辺倒にならずに競技中も引退後に向けたキャリアビジョンを描くことで、競技生活から引退後の生活の移行がしやすくなるというメリットがある。

 

EU(欧州連合)は、2012年に「アスリートのデュアルキャリアに関するEUガイドライン」を策定。また、日本でも「スポーツ基本計画」の7本目の柱として「デュアルキャリア」の支援推進が明記され、現役を続けながら、大学院に進学し、コーチングやトレーニングの理論を学ぶ選手も出てきている。また、今年1月にはデュアルキャリアをテーマとした、日本スポーツ振興センター主催によるシンポジウムも開催された。

 

だが、上述のコンセプトをもとに、誰が、どのタイミングで、どのような支援を行っていくのかは明確ではない。また、デュアルキャリア支援を掲げていても、単年度の取り組みで終わるケースも少なくなく、継続的支援の事例は乏しいのが現状だ。長期的展望に立ち、アスリートに引退後も活躍できるようなキャリア支援の仕組み作りが急務となっている。

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Ridi

リディラバ メディア事業部

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