あなたと誰かの「水曜日」で町おこしー165番地のその先でー

  • まちづくり
この記事の読了時間:約1分
2016.06.08
13488d11c2e0881c92cd8ded5a64042e s fotor

 海と山に囲まれた人口約5000人の小さな町、熊本県葦北郡津奈木町福浜165番地のその先に、2013年に廃校になった小学校が立っている。海の上に建てられた珍しい小学校は、つい2ヶ月前の2016年3月31日まで、あるアートプロジェクトの舞台になっていた。「赤崎水曜日郵便局」という名称のプロジェクトだ。廃校になった小学校は3年間、「赤崎水曜日郵便局」として、様々な人々の物語が交差する場となった。

  

 このプロジェクトはとてもロマンチックだ。自分の「水曜日」の物語を書いて、切手を貼り、赤崎水曜日郵便局宛に投函する。水曜日郵便局に届いた手紙は同じく赤崎水曜日郵便局に手紙を送った別の誰かに転送される。そして自分にも、誰かの「水曜日」の手紙が届くのだ。

 

 熊本県葦北郡津奈木町は、とても人口が少ない過疎の町である。この町は、「芸術と文化」を中心にしたまちづくりをテーマに、2001年に町立の「つなぎ美術館」を開館させただけでなく、2008年から様々なアートプロジェクトを推進してきた。2013年から始まった「赤崎水曜日郵便局」プロジェクトは、「住民が集う新たな『場』を創造し、町づくりにおいて中心的な役割を果たした」という評価により、2014年にはグッドデザイン賞も受賞している。

  

 「赤崎水曜日郵便局」というロマンチックなプロジェクトは、町の外のメディアから大きな注目を集めたが、しかしそれだけではなかった。過疎が進み、だんだん衰退していく町、廃校になった小学校、そんなマイナスなイメージがまとわりつく津奈木町は、一つのプロジェクトにより、様々な「水曜日」の物語が交差し、人と人をつなぐ町に生まれ変わった。このことは、住民が地域への肯定感を再び取り戻し、町の中での新たなネットワークが生み出される契機ともなったのである。

 

 津奈木町は、「海の上に立つ小学校」を「水曜日郵便局」とすることで、再び町を輝かせた。このように、人口が少ない過疎の町において、忘れられた魅力を再発掘し、見方を変えて、その魅力を翻訳するプロジェクトをつくることで、再び地域と、そこに住む人々を輝かせるという町おこしの方法もある。「赤崎水曜日郵便局」は閉局したが、津奈木町の魅力は今後も輝き続けるだろう。

 

Facebookコメント

Ridi

リディラバ メディア事業部

リディラバ メディア事業部
お問い合わせ:media@ridilover.jp

自分用にメモをつける


意識調査

実施中 クラウドファンディングで出資をしたことがありますか?

6
リディラバも挑戦中のクラウドファンディング。近年ではNPOの資金調達方法としても活用されています。あなたはクラウドファンディングで出資をしたことがありますか?
合計: 51

Facebookページにぜひ「いいね!」をお願いします!「いいね!」を押すと、TRAPROの最新記事が受け取れます