高校がない地域で高校に通う方法って?

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2016.06.09
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Photo:http://www.photo-ac.com/main/detail/297243?title=%E6%95%99%E5%AE%A402

 生まれ故郷というものは誰にとっても思い出深いもので、唯一無二な大切な場所である。今、そんな地元を愛する若者が地元にとどまることが出来ないという問題が起きている。

 

 日本には1741(※1)もの自治体がある。そのうちのおよそ1/4の地域に高校がないことをご存知だろうか。人口の減少に伴い学校の統廃合を余儀なくされた地域に住む若者たちは今、大好きな故郷を去ることを余儀なくされているのだ。


 そんな地域に教育をもたらそうと動き出したのがカドカワ株式会社と株式会社ドワンゴである。両社は、本年度から「N高等学校」(以下:N高校)という授業がネットで行われる学校を開校している。また、基本の授業とは別にリアルタイムでネットで授業が配信される課外授業も設定しており、プログラミングを学んだり、ファッションを学んだりすることもできる。また、希望をすれば、地方での職場体験をすることもできる。この「N高校」の授業を受けられる施設(以下:Nセンター)を高校のない地域の空き施設に設置することを今年5月に発表した。同年7月に1校目として鹿児島県長島町に開校する予定だ。

 

 この拠点には、パソコンが設置してあり、そこでN高校の授業を受けることができる。本来ネットで全てが完結することがN高校の特徴であるが、高校に通いたいと思っていたけれど物理的障害によって通うことが出来ない過疎地域の子どもたちにとっては、むしろ通う場所があったほうが良いのではないか、という(カドカワ・ドワンゴの)考えから設置に至った。

 

 実は、Nセンターはもう一つ、役割を担っている。それは、「若者」と「地域住民」の交流の「場」としての位置づけだ。内閣府が「地域のつながりは長期的に希薄化している」と発表しているほど現在は地域内交流が少なくなってきている現状がある。一方で、交流したいと思っている高齢者は多く、全体の半数以上(※2)が若者との交流を希望しているというデータもある。ただし、それには交流する機会の設定が必要であるという声も多数上がっており(※2)、世代の違う地域住民の交流の場が求められているのだ。


 Nセンターのような、いってみれば出張学校の存在は、単に地域間の教育格差の是正に貢献するだけでなく、地域内でのつながりを積極的に生む地域活性化の主体となることができるのではないだろうか。

 

※1 平成26年度4月現在、自治体数は1718である。(総務省調べ)そこに東京の東部(区)23を足して1741となる。
※2 国民生活白書「つながりが築く豊かな国民生活」平成19年度。75頁。(最終閲覧日:平成28年6月9日)

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