こすって描いて再発見!ーオオタノカケラー

  • まちづくり
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2016.06.10
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 コミカミノルタ ソーシャルデザインアワード2016の入選作品24作品が決定し、6月5日からコミカミノルタプラザにて入選作品が展示されている。その中の一つに、「オオタノカケラ」という酒百宏一(さかお こういち)さんの作品がある。

   

 この作品は、かつて9000もの町工場が存在し、高度経済成長を下支えしつつも、現在は町工場の数が激減し、モノづくりの町としての活気が失われつつある大田区を焦点にあてている。工場跡には新しいマンションがたち、新たな住民はまちの歴史や、古くから大田区に住む人たちとの交流もない。そんな中、町工場の職人から道具を提供してもらい、それを色鉛筆でこするフロッタージュをつくるワークショップによって、ものづくりの魅力を再発見し、まちの歴史とも関わっていこうとするのが、このプロジェクトである。フロッタージュとは、凹凸のあるものの上に紙を置き、その上から色鉛筆などでこすることで、紙にものの形を浮き上がらせる技法のこと。

 

 ソーシャルデザインアワードでは、人々が描いた作品を、一つ一つつなぎ合わせて、大きなインスタレーション作品として展示するという。町工場の職人さんが提供してくれた道具は、一つ一つが「オオタノタカラ」であり、それを住民たちが写し取った一つ一つの作品は、「オオタノカケラ」となる。古くからの大田区の記憶を知らない住民たちが、記憶を内包する道具と向き合いながら描いたフロッタージュ。それらをつなぎ合わせた作品は、新たな大田区のアイデンティティの一つの形となるのではないだろうか。

 

 去年(2015年)の1年間で、およそ8万人の人々が、他の地域から東京都に引っ越してきた。新たな地域で住む人々は、その地域の歴史も知らなければ、もともとそこに住んでいた人々との交流もない。地域に愛着をもつにも時間がかかるだろう。そして地域は、社会の変化の中でかつてもっていたアイデンティティを失っていく。「オオタノカケラ」のようなプロジェクトは、新たにその地域に住む人々が、地域への愛着をもつ契機となるだけでなく、その地域が、そもそももっていたアイデンティティを更新し、未来に残していくための重要な試みともなるだろう。

 

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