小型栽培見回りロボットが農業を変える?

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2016.06.15

 「ラズベリーパイ」を搭載した小型栽培見回りロボットが農業の未来を変えるかもしれない。だがここでいう「ラズベリーパイ」は、甘いお菓子のラズベリーパイではなく、安価で購入可能な小型のマイコンボード、「Raspberry Pi(通称ラズパイ)」のこと。ラズパイはイギリスのラズベリーパイ財団によって、主に子供がコンピュータがプログラミングによってどのように機能するかを学ぶために開発された、クレジットカードサイズの低コストコンピュータである。株式会社フューチャアグリが開発した栽培見回りロボットは、このRaspberry Piを搭載した、人間に代わって栽培見回り作業を行う小型ロボットを開発した。

 

 農業の労働量はかなり多い。一般のサラリーマンの年間平均労働時間が1700時間前後なのに対し、農業従事者の年間平均労働時間はなんと2600~2700時間にものぼるという。美味しい野菜や果物を生産するには、特に、丁寧な見回り作業が欠かせない。温度や湿度、二酸化濃度や照度を計測したり、一つ一つの作物の成長度合いを見たりと、栽培見回り作業は農家にとって大きな負担である。

 

 フューチャアグリによる栽培見回りロボットが登場する以前も、栽培見回り作業を代替するために、センサーで農作物の生育状況を計測するという取り組みは存在した。しかし、センサーは固定式であり、計測できる場所が限られていた。

 

 センサーに比べてこのロボットが画期的だったのは、それが「動く」という点だ。ロボットは対象箇所を動き回って計測するため、人間が歩いて見回るのと同じ情報が得られる。

 

 そして、このロボットの強みはもう一つある。それは、かなりの低価格を実現した点だ。5000円前後のラズパイに加え、カメラ、センサー類、ロボット部品に極力低価格の市販品を使用することで、メーカーに開発を委託すれば総額数万円前後になる栽培見回りロボットの低価格化を実現したのだ。

 

 農家にとって大きな負担となる栽培見回り作業を代替する小型ロボット。このロボットの有益性が評価され、農林水産省により、「平成26年度農林水産業におけるロボット技術開発実証事業(大規模導入実証)」の一つにも採択された。小規模な農家でも簡単に導入できるロボットにより、農家の労働量が減れば、かつてより事業拡大も容易になるだろう。低迷する日本農業の未来を変えうるかもしれない力が、小さなロボットの中に秘められている。

 

2016.6.16 お詫びと訂正

2016年5月15日配信時に、ロボットの名称を「ラズベリーパイ」と間違えて記載しておりました。正しくは、ロボットに搭載されている小型マイコンボードの名称が「ラズベリーパイ」です。今後、このようなことがないよう、細心の注意を払って記事の作成をしてまいります。読者の皆様に誤った情報を配信してしまい、この度は本当に申し訳ありませんでした。今後とも、TRAPROをよろしくお願いします。

修正前

ロボットの名称=ラズベリーパイ

 

修正後

ロボット搭載のマイコンボード=ラズベリーパイ

 

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