海を救う2つのイノベーション

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2016.07.08
          2016 07 09 1.10.24
Photo:http://www.photo-ac.com/main/detail/107580?title=%E6%B5%B7%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A6%8B%E3%82%8B%E7%99%BD%E3%81%84%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%81&selected_size=m

 年間800万トンものゴミが私達の手によって海に捨てられている。このまま不法投棄が続いてゆくと、2050年には毎分ゴミ回収車4台分ものゴミが海に捨てられる計算になるという。こうしたゴミによって引き起こされる問題は深刻で、海に住む動物たちの命を奪っているのだ。ビニール袋をクラゲと間違えて食べてしまって窒息してしまったウミガメや、漁師の捨てた網に絡まって動けなくなってしまったアザラシ、鉄くずがくちばしに引っかかってしまった海鳥など多くの動物が私達の捨てたゴミによって苦しんでいる。

 

 人間によって引き起こされた海洋汚染は、海洋生物だけでなくゆくゆくは人間にも大きな影響を及ぼす。ゴミの浮いた海で生活する魚を食べる私達の体内には、必然的に海洋ゴミが蓄積していく。そればかりではなく、海が汚れゆくことで海洋生物は住めなくなり、私達日本人が多く食べる海産物は姿を消す。そして今まで保たれていた生態系の乱れは、地球全体の生態バランスをも乱すであろう。食糧難がそう遠くない未来におとずれる可能性もある。

 

 地球全体を司る海を海洋汚染から守るために、私たちはどのような手を打ったらよいのだろうか。

 

 捨てられたゴミをどう処理するかということと、そもそもゴミを捨てさせないようにするにはどのようにしたらよいかという2方向からの取り組みが必要だ。

 

 長崎県対馬市は今年度から、オランダ発のNPO法人「オーシャンクリーンアップ」と協力して海洋ゴミの大量回収を行う予定だ。以前から行われていた底引き網漁法のようにゴミを回収しに回るのではなく、海に巨大なゴミ箱を設置し、海流によって流れ着くゴミを自動で回収しようというのだ。海流を変えることなく、魚や哺乳類等海洋生物には問題ない形で設置することで、生態系を脅かすことはない。

 この仕組みによって、既存ある海洋ゴミとこれから捨てられるゴミを回収し、海を保護していこうという取り組みだ。回収されたゴミは再生エネルギーの材料として使われることも検討されている。

 

 そもそも人々にゴミを捨てさせないような啓発活動をはじめた企業もある。Adidasは、海洋保全に取り組むNPO法人「Parley for the Ocean」と協働で、使わなくなった漁の網を使ってスニーカーを製作した。50足のみ製造されるこの靴を手に入れるには、ちょっとした環境への配慮が必要だ。Instagramで自分の海洋ゴミを減らすための取り組みをアピールする動画を投稿する必要があるのだ。このキャンペーンは今月いっぱい行われており、「#Parley AIR」というハッシュタグとともに様々な動画がInstagramに投稿されている。商品として海洋ゴミを再利用しようとすることと、一人一人の海洋ゴミを減らそうという心がけを生むこのプロジェクトはとても画期的だ。
 

 その他にも、アメリカの企業「Bureo」が漁師の使わなくなった網をスケートボードに加工して販売したりと、海洋ゴミを別の商品に作り変えてゴミを減らそうと言う取り組みがなされている。

 

 ゴミを商品の原材料として買い取る仕組みがあれば、人々はゴミを捨てたくなくなるのではないかと思う一方、まだまだ技術的な側面でゴミを商品に作り変えることにコストがかかってしまうので、ビジネスとして確立されるのには時間がかかりそうだ。しかし、こうした新しい取り組みが、今までのようにただ「ゴミを拾う」という行為だけでは手に負えなくなっていたこの問題の、解決の兆しとなったことは違いない。

 

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Ridi

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