草が島の未来を変える?

与那国島の新たな産業
  • 地域
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2016.07.13
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日本の最西端に位置する、人口2000人足らずの小さな島、与那国島で、今、熱い注目を集めている「草」がある。それは、「クシティ(パクチー)」と「長命草(ボタンフウソウ)」。かつて誰からも利益を生み出すとは思われていなかった草がいま、新たな産業の柱となりうるものとして人々の注目を集めている。

 

 まず、「クシティ(パクチー)」について。首都圏を中心にパクチーは人気食材として広く流通している。その独特な風味が苦手だ、という人も多いが、与那国島産のクシティは、青臭さや苦味がマイルドで食べやすいらしい。1つのブランドとして与那国産クシティが求められ、現在、クシティは島外からの需要が伸びている。

 

 だがクシティは、島内で出荷している農家は4軒ほど。その農家からの出荷も、島内での消費への供給を目的としており、島外への出荷は考えられていなかった。島外に安定的に供給実現することが課題ではあるものの、需要が高まっている今、クシティは1つの特産品となりうるかもしれない。

 

 次に、「長命草(ボタンフウソウ)」について。これは、与那国島の海岸沿いの崖などに自生する、セリ科の野草である。長命草は、島民も祭事に使ったり和え物として食べる以外に使わなかった草で、全く栽培の対象ではなかった。

 

 だが、この草は、とても高い栄養価を持っている。その栄養価に注目した化粧品大手の資生堂が、青汁の原料として採用した。このことが長命草の転機となって、島内での栽培がはじまった。

 

 さらに、2016年9月から資生堂ブランド「ベネフィーク」で売り出される美容液(参考価格1万円)の原料としても、この長命草が使われることになった。

 

 そんな長命草は、もともとが野草であるために、農薬も必要なく、一度植えれば年に3、4回は収穫できる。さらに、島の主産業であるサトウキビとは違い、収穫のための大型機械も不要。かなり育てやすい作物なのである。1年で500万円ほどの収入を得る農家もいるらしい。

 

 そして長命草は、現在サトウキビに迫る勢いで、島内での生産が伸びている。現在、60軒ほどの農家が長命草を栽培しており、その農家の全てが契約農家だという。島内では出荷のために長命草を加工するための工場もでき、長命草は新たな雇用を作り出している。

 

 サトウキビが主産業だった小さな島、与那国島。かつて誰からも注目されてこなかった「草」が、島を支える新たな特産品として成長しつつある。新たな産業が生まれたおかげで、島にIターンしてきた若者もいるらしい。クシティと長命草、二つの草が島の未来を変えるかもしれない。

 

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Ridi

リディラバ メディア事業部

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