交通版民泊、Uberから見る、シェアリング・エコノミーの現在。

  • 産業・経済
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2016.07.16
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 シェアリング・エコノミーという言葉をご存知だろうか。シェアリング・エコノミーとは、個人が所有する、使用していない遊休資産の貸出しを仲介するサービスであり、貸主は資産の活用による収入を得て、借主は所有することなく利用できる。貸し借りの成立には、ソーシャルメディアを利用した緩やかなコミュニティの機能を利用する。その事業規模は、2013年に約150億ドルの市場規模が2025年には約3,350億ドル規模に成長する見込みであるという。(総務省平成27年情報白書より)。

 

 その代表格としては、AirBNBなどの民泊サービスがあげられる。AirBNBは日本での知名度も高く、首都圏の宿泊施設不足を解決するサービスとして注目されている。

 

 シェアリングエコノミーの1つ、Uber(ウーバー)は、交通版民泊とも言えるサービスだ。Uberのサービスは車に乗りたい人と車に乗せたい人をつなぐ。

 

 車に乗りたい人は、Uberアプリをダウンロードし、乗車地と乗りたい車種を選ぶ。すると、付近にいる条件にあったドライバーがその人をピックアップしに来る。通常料金でもタクシーより安価だが、uberPOOLという乗り合わせサービスを使えば、さらに安くuberを利用することができる。

 

 また、ドライバーとして働きたい人は、自分の車とスマートフォンさえあれば、Uberのドライバーとして登録できる。働き方は自由である。暇な時間と自分の車を有効に使ってお金を稼ぐことができるのだ。

 

 そしてUberは、通常のタクシー会社とは違って、車とドライバーの維持費がかからないため、通常のタクシーよりも安い値段でサービスを提供することができるのだ。

 

 Uberのサービスは世界全体に広まっており、現在世界の482の都市でサービスを利用することが可能だという。だが、日本ではUberのように、個人が自家用車で送迎サービスを提供することは規制の対象となっている。そのため、このサービスが導入されているのは東京と京丹後市のみで、また東京のUberはハイヤー会社が配車を行っている。

 

 だが、Uberサービスが日本で果たす役割は大きいだろう。例えば、高齢化・過疎化が進んでいるにもかかわらず、公共交通機関が乏しい地域では、Uberによる安価でフレキシブルなサービスは魅力的だ。また、Uberアプリは45言語に対応しており、外国人観光客の日本での足としても活躍するはずだ。

 

 ただ、やはり民泊と同じく、Uberにも、ルールが緩いシェアリング・エコノミーゆえの問題点もいくつかある。ドライバーが高額料金を請求したり、乗客に危害を加えたりするという事件も海外では起こっているようだ。Uberは緊急連絡サービスを導入するなどの対応を進めている。

 

 Uberや民泊のような、あるけれども使えていない遊休資産(空き部屋、乗っていない車、そして暇な時間)を、ソーシャルメディアを活用して、それを使いたい人とつなぐことで効率的に利用するシェアリング・エコノミーは、遊休資産を効率的に活用しながら、より便利に、より安価にサービスを利用できる社会を作っていくだろう。

だが、その時、ホテル業界やタクシー業界など、それまでその役割を担ってきた人々が、不利益を被るということも忘れてはいけない。利益・不利益をうまく調整しつつ、新たなシステムが構築されることが望ましい。


 

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