日本にもいる、1万人の無戸籍児を救うには?

  • 社会保障
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2016.08.22
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Photo:inkswamp(http://www.gatag.net/07/15/2008/153030.html)

 中国では人口削減のために、2人以上子供を産むと罰則が課される「1人っ子政策」や、男子優遇措置によって無戸籍児があふれた。この、戸籍のない子どもたちは日本にも存在し、推定1万人以上無戸籍であるとされている。

 無戸籍であると、 「学校に行けない」「病院に行けない」「働くことが出来ない」「家が借りられない」など子供の生活に大きな支障がでる。

更に社会としてみても、無戸籍であることによって経済的に困窮し、行政から生活保護や就学支援を受けたりと、無戸籍児とその家庭に対する支援には一定のお金がかかってくる。

 

 一体なぜ無戸籍児は増えてしまうのだろうか。


 

 親が子供を無戸籍にする選択をすることにはいくつかの理由がある。一つが”離婚“だ。法的な離婚が成立した後300日以内に生まれた子供は離婚した前夫との子供として出生届を出さなくてはならないという決まりが日本には存在した現在は改定され、100日に変更になったものの、適用されない場合もある。無戸籍児家族の会代表であり、ご自身のお子さんも一時的に無戸籍児となってしまった井戸まさえさんの判例により、「法的に離婚が成立していた場合、300日以内でも医師の証明があれば、現夫の子供として出生届を提出できる」という特例が2009年に認められるようになったが、周知されておらず、無戸籍児になる子供を減らすことができているとは言いがたい。

 ”DV”もまた、無戸籍児をつくってしまう理由の一つといえる。夫から逃げて家を出た場合などで離婚届は提出できていないが長く別居生活を送っていた場合、夫以外の人との間に子供ができる可能性はあるが、上記の法律の影響もあり子供の戸籍が前夫に入ってしまうことがある。前夫の戸籍に入ってしまうと、別の男性と暮らしていることが分かってしまうだけでなく、居場所が分かってしまう可能性もある。こうしたことを恐れる女性は子供の出生届を出さないままにしてしまうケースがあるのだ。


 

 無戸籍児が家庭を作り、子供を産むとその子供もまた無戸籍となる。無戸籍児の母から生まれた子どもたちは、生まれながらにして自分の人生が決まってしまっておりその連鎖をとめないことには、そこから抜け出せないのだ。

 

法を改正したり、家庭環境を改善していくことももちろん必要なことだ。しかし。出生届をだすための特例措置があること、相談できる窓口や先輩たちが居ること、そして無戸籍になってしまったとしても、学校に通うことができることなど、幾つかのことは知っていれば解決ができることだ。

まずは、戸籍が取れる取れないに関わらず子供が受けることができる社会的サービスをそもそも今ある選択肢が母親たちが知らせることが、彼女たちのためにできる取り組みなのではないだろうか。

 

 そして、無戸籍児が生まれてしまった時にその子どもたちも戸籍の有無に関わらず、日本という社会の中で不自由なく生きていくためのセーフティネットを作っていく必要があるのではないだろうか罪のない子どもたち、そしてやむを得ず子供を無戸籍児にしてしまう自分に罪の意識を感じてしまう母親たちを救うための取り組みもまた無戸籍児になってしまった子どもたちが幸せに生きていくためには必要な策である。

 

参考:井戸まさえ「無戸籍の日本人」

(無戸籍の子供達が推定1万人以上いると本書の中で述べている。)

 

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